2011年01月01日

The last lecture

私は子供の頃、死についてよく考えていた時期がありました。小学校低学年の頃、台所で家事をしている母に付きまとい、死について色々質問していたのを覚えています。死によって何もなくなってしまう様に思えとても怖かったのです。ついに業を煮やした母に、もう死について考えるのはやめなさい、と諭され、当時素直だった私はそれ以来考えることをやめました。また、成長し日々の生活が忙しくなるにつれ、せいぜい数年先の事を考えるのが精一杯となり、もう遠い先の出来事の様に思える「死」について思い煩うことは自然となくなりました。

しかし、数年前にとても大事な人が難病にかかったこと、そしてずっと一緒にいたいと思う人に出会ったことによりまた死に対してまた色々考えるようになりました。

そんな時に出会ったのが、ランディ・パウシュ教授による"the last lecture"です。すでに非常に有名な映像なので、私が説明するまでもないと思いますが、すい臓がんに侵され余命数ヶ月のパウシュ教授が、「生きること」についてアメリカの大学で講演した記録です。子供の頃の夢を全て叶えてきた教授が、その方法を私達、そして彼の3人の幼い子に向けてユーモアとそして愛情をもって伝えてくれます。

珠玉の言葉に満ちた彼のレクチャーの中のclicheの中でも、特に心に残っているもの。

"The brick walls are there for a reason. They're not there to keep us out. The brick walls are there to give us a chance to show how badly we want something".夢を叶える道のりに障害が立ちはだかった時に僕はいつも自分にこう言い聞かせてきた。レンガの壁がそこにあるのには、意味がある。僕たちの行く手を阻むためにあるのではない。その壁の向こうにある「何か」を自分がどれほど真剣に望んでいるか証明するチャンスを与えてくれているのだ。

"fundamentals, fundamentals, fundamentals. You've got to get the fundamentals down, because otherwise the fancy stuff is not going to work.
「基礎、基礎、基礎。基礎を身に着けないと、その先にある素敵な事なんか身につかない」

ずっと英語を話せるようになりたい、と思っていましたが、それまでにかかる努力を思うと「どうせ無理」とあきらめていました。しかし、パウシュ教授のレクチャーを観、その後本を読んだことにより、考えが変わりました。彼の様に重い病気にかかったり、そして不慮の事故に巻き込まれたりする事件も多い中、自分だけは長生きできると考えるのはとても不遜なことだ、と。今、奇跡的に与えられている命を無駄にしないように一生懸命生き、人生を終える時に後悔しないよう夢を叶えようと思い、一発奮起して英語の勉強を始めました。

しかし、その過程ではやはり想像していたように様々な壁に頻繁に突き当たります。その時には、上記のclicheにいつも助けられます。自分には才能がない、と考えるのをやめて前者の様に考えることによって「この壁をクリアするぞ!」とやる気が再度沸いてきます。また、焦って勉強を進めたくなるとき、そして難しいことが理解できない時には後者で基礎の重要性を再確認し、堅実にやっていこうと自分を戒めたり、基礎に立ち返るようにしています。

もう一つ、彼が私に教えてくれた事は、子供の頃に思っていたように死は必ずとも無とイコールであるということではないということです。彼の様に、真摯に一生懸命生きた人は、必ず他の人の生に影響を与える事ができ、永遠に次の世代の心に刻まれます。私が彼の講演を知ったのは、彼が亡くなった後ですが、彼は私の人生に対する考え方を大きく変えてくれ、夢に向かって進むことの素晴らしさ、また再チャレンジする勇気、そして障害の乗り越え方をも教えてもらいました。この本は、私にとっての第二のthe bibleです。

http://www.amazon.co.jp/Last-Lecture-Randy-Pausch/dp/1401309658



posted by Haru at 00:03| 東京 ☀| Comment(4) | 読書記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。